蓄電池は、停電時など電気が使用できない状態の時、あるいは電気が使えないアウトドアなどモバイル環境下で電気製品を使えるようにするために電気を蓄えておく装置です。
一方、発電装置は、その名前の通り、ガソリンや、あるいは最近、導入が進んでいる太陽光などを用いて電気を発電する装置です。
従って、停電が起きた時などに蓄電池と同じように電気を利用することができます。
お祭りなどで夜に屋台の照明などに使われているのも発電装置の一つです。
持ち運びができるポータブルな装置から持ち運びができない大きな装置まであります。
携帯電話、パソコン、デジタルカメラなどのような軽くてハンディな装置には利用できませんが、車で運搬して使う程度の機動性はあります。また、家庭でも使おうと思えば使えなくはありません。
では、発電装置は、蓄電池の代わりとして使用できるのでしょうか?
できないとしたら、発電装置と蓄電池はどのように使い分けるのでしょうか?
発電装置は、一般的には、中学校あるいは高校の理科で電線をたくさん巻いたコイルを磁界の中で動かすと起電力(電流が流れる)がフレミングの右手の法則に従って生じることを学びますが、この原理を利用して発電しています。
電力会社が水力・火力・原子力などのエネルギーを利用して発電しているのもこの原理を利用しています。
尚、最近、一般住宅にも急速に普及し始めた太陽光発電の場合は、光エネルギーを、光起電力効果を用いて電気エネルギーに変換して発電しています。
光エネルギーを使うのは環境汚染の心配もなく良いのですが、天候や時間に発電が左右されることが問題となります。つまり、必要な時にいつでも発電できないという欠点があります。
停電などが起きても、発電装置の発電に切り替えて利用できる時間的な余裕があれば、発電装置は蓄電装置の代替装置となります。
発電装置は発電しはじめてから、電気が利用できるまでにある程度の時間がかかることを想定しなければなりません。
停電と同時、発電できるようになる発電装置もありますが、電気が利用できるようになるには、蓄電池や無停電装置(UPS)より時間がかかります。
そのため、パソコンのように瞬時に電源が供給できないといけないような電子機器に対しては利用できないことがデメリットの一つとなります。
一方、メリットは燃料となる発電装置を動かすガソリンやLPガスなどを準備しておくことで、蓄電池よりも長時間電気の利用が可能になります。
従って、停電になっても、発電装置で電気が利用できるようになるまで待つことができる時間的な余裕がある場合は、発電装置は蓄電池の代替として利用できます。
同じ発電装置でも、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを利用する発電装置は、コンスタントにいつでも発電できないというデメリットがあります。
発電装置と蓄電池は電気の利用方法によって、いずれかだけを利用する、あるいは両方の装置で機能を補完しあいながら使用することが考えられます。
エレベータが設置されているような大型のビルでは、火災や震災などが起きて停電が発生したとき、エレベータが止まって動かなくなると乗っていた人は逃げ場を失います。
そこで、蓄電池または発電装置で非常電源に切り替わって、エレベータを非常用の乗降用フロアーまで強制的に移動させる必要があります。
その他スプリンクラーを動作させたり、非常用の照明灯を点灯させたりする必要があるため消防法や建築基準法など法律で、設置する義務のある建物の条件を定めています。
条件に合致する施設は、必ず蓄電池または発電装置を設置しなければなりません。
その際、40秒以内に必要な設備を動かすための電圧を確保できること、及び30分間動作できるような電力を供給できることなど法律で詳細が定められています。